コンテンツにジャンプ メニューにジャンプ
大野城心のふるさと館 Onojo Cocoro-no-furusato-kan City Museum

トップページ > 館長の部屋 > 館長の部屋

館長の部屋

更新日:2024年10月1日

大野城心のふるさと館 館長

館長

赤司 善彦(あかし よしひこ)

10月

 10月になり朝晩もやっと涼しくなってきました。酷暑が長かったことと少雨の影響で、我が家の近くではヒガンバナがやっと咲き始めました。秋の始まりですね。大野城市役所のまどか広場横にはキンモクセイが何本も植えられています。秋の風物詩とされる甘い芳香を漂わせるのもまもなくでしょう。
 それにしても、今後も夏には熱波の日々が続くと予想されます。当館は野外での発掘調査を実施しています。県内では発掘作業に従事する皆さんの熱中症発症リスクを勘案して7~9月は作業を中止することに踏み切った自治体もあるようです。当館も現場作業のあり方を見直してきましたが、さらに踏み込んだ検討が必要になるかもしれません。
 また、当館には、市のコミュニティバスを利用して来館されるご高齢のお客様もいらっしゃいます。ルートによってはバス停から数分は歩くことになりますので、日傘をさしてご無理なさらず、ゆっくり来館くださるようお願いします。
 さて、10月12日(土曜日)からは特別展「土器土器!すてきな須恵器ワンダーランド」を開催します。市内には古代の陶器「須恵器」を製作した国の史跡「牛頸須恵器窯跡」があります。展覧会では市内の出土須恵器を中心に、韓国で同時期に製作された百済土器も展示します。特設会場では須恵器や土器を題材にしたデジタルコンテンツも用意しています。自分の姿が土器の形になったり、選んだ土器が音楽になったりと楽しめる体験コーナーがあります。古代の土器は地味だなと感じていらっしゃる方に楽しんでもらいたいですね。
 最後に、猫の足跡がスタンプされた古代の須恵器も展示しています。須恵器を作る過程で生乾きのあいだにうっかり猫が踏んだのでしょうか。奈良時代、当地に猫がいた証拠になるかもしれません。ぜひピアノの連弾曲「ねこふんじゃった」を口ずさみながら、ご観覧ください。

館長の部屋_202410猫の足跡が残された須恵器(天神田遺跡出土・8世紀)

令和6年10月1日
市民ミュージアム大野城心のふるさと館館長 赤司善彦
館長_サイン

 
過去に掲載された館長の部屋の記事をご覧になれます。 館長の部屋_バナー 「館長の部屋(過去記事)」へ移動します。

1957年福岡県生まれ
 
専門分野
古代の大宰府や古代山城、主に朝鮮半島との対外交流、近年は水中遺跡の調査研究。
 
経歴(年度)
1983年  明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業。
1984年~ 福岡県教育庁文化課技師採用、県内の遺跡調査に従事。
1985年~ 九州歴史資料館で大宰府史跡の調査研究に従事、その間4年間福岡県教育庁北筑後教育事務所等で勤務。
2000年~ 福岡県総務部国立博物館対策室で九州国立博物館の設立準備に従事。
2005年~ 九州国立博物館展示課長。
2014年~ 福岡県教育庁総務部文化財保護課長、副理事兼文化財保護課長を経て2017年3月退職。
2017年~ 九州歴史資料館企画主幹。
2018年~ 市民ミュージアム 大野城心のふるさと館館長に就任し、現在に至る。
 
業績
著作等(2018年~)
  • 「世界の水中遺跡の保存と活用」『水中遺跡の歴史学』山川出版社2018.3
  • 「大宰府の都市の造営」『大宰府への道―古代都市と交通―』九州歴史資料館2018.4
  • 「博多をめざした交易船をさがす」『西日本文化』478 2018.7
  • 「公立博物館意識改革待ったなし」『西日本新聞』朝刊2018.7.21
  • 「朝鮮式山城の特徴―主に兵站と備蓄―」鞠智城・古代山城シンポジウム資料集2018.10
  • 「大宰府の都市と古代山城 The city of Ancient Dazaifu and mountain forts」イコモス・ICOFORT 国際会議2018論文集 2018.10
  • 「古代山城とGIS―大野城・基肄城・阿志岐山城の眺望を中心としてー」『大宰府の研究』高志書院2018・11
  • 「大宰府政庁前面域」『都府楼』50 公財古都大宰府保存協会 2018.11
  • 「市民ミュージアム 大野城心のふるさと館」『歴史と地理 日本史の研究』264山川出版社2019.3
  • 「市民ミュージアム 大野城心のふるさと館 こどもたちが歴史を体感する場」『歴博』213 2019.3 国立歴史民俗博物館
  • 「大宰府と古代山城の誕生」・「大野城の研究成果」ほか『大宰府学研究』九州国立博物館アジア文化交流センター研究論集1 2019.3

注:「」は論題、『』は書籍名となります。

 
現在就任している館外の委員等
  • 文化庁水中遺跡調査検討委員会副委員長
  • 文化庁水中遺跡調査検討委員会協力者会議委員
  • 日本学術振興会関連委員
  • 福岡県・大野城市まち・ひと・しごと創生有識者会議委員
  • 福岡県・春日市文化財専門委員
  • 福岡県・久留米市文化財保存活用地域計画協議会委員
  • 佐賀県・佐賀市東名遺跡整備基本計画策定委員会委員
  • 長崎県・対馬市有識者会議構成員(対馬市博物館建設推進会議)
  • 鹿児島県・瀬戸内町近代遺跡調査検討委員会委員長
  • 鹿児島県・伊仙町生涯活躍のまちづくり町有地・施設利用構想検討委員
  • 鹿児島県・徳之島町水中遺跡指導委員会委員
  • 鹿児島県・天城町水中遺跡調査指導委員
  • 鹿児島県・奄美市小湊フワガネク遺跡保存活用計画策定委員会委員
  • 鹿児島県・与論町与論城跡調査指導委員会委員
  • 九州国立博物館名誉館員
  • 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所客員研究員
  • 公益財団法人古都大宰府保存協会顧問
  • 日本考古学協会会員
  • 九州考古学会会員

 

講演等
(2018年)
1月10日 古代の土木技術について(九州産業大学建築都市工学部)
1月17日 文化遺産セミナー「大宰府史跡の保存と活用」(福岡県)
2月14日 もっと知ろう 大宰府講座 「大宰府と羅城」(古都大宰府保存協会)
5月25日 大野城市山城塾 「博物館の楽しみ方 1」(大野城市)
6月17日 第3回九州文化財保存学研究会「災害と文化遺産 ~災害時における福岡県の対応~」(別府大学)
7月27日 大野城市山城塾 「博物館の楽しみ方 2」(大野城市) 
10月13日 太宰府市発見塾「大宰府史跡発掘調査50年」(明治大学)
10月14日 鞠智城・古代山城シンポジウム「古代山城の成立と変容 ~朝鮮式山城の特徴~」(熊本県)
10月15日 福岡県市長会研修会「大野城心のふるさと館がめざすもの」(大野城市)
10月25日 ICOFORT国際会議「城塞と都市の防御 ~大宰府都城と古代山城~」(ICOFORT国際会議2018 in彦根実行委員会)
11月8日 公立歴史系博物館の展望「大野城心のふるさと館の試み」(九州博物館協議会)
12月8日 公開講座九州学「古代の太宰府」(別府大学)
(2019年) 
館長講座(大野城心のふるさと館にて、ほぼ毎月1回)ほか